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2013/02/14

20世紀初頭のレシピを甦らせたパイプタバコ。




古風な意匠にタイタニック号が描かれたドイツのタバコ。
味わいは20世紀初頭のマコーネルのレシピだと説明されている。
1848年創業のC.E. McConnell 社のクルーズ・ライン。
最高級タバコを世に送り出したC.E.マコーネルは閉鎖され、
今はドイツのプランタがマコーネルのレシピを忠実に再現する。
豪華客船のデッキで男達が燻らせていたタバコと同じ味わい。
何だか胸がワクワクして来るではないか。

オランダ・アメリカ・ライン100周年記念の
”A Bridge to the Seven Seas"と題された本を眺めながら
古き良き時代の豪華客船に想いを馳せた。

当時の雰囲気そのままの角い缶が欲しくて注文したが、
デザインが変わったのか届いたのは丸い缶だった。
少しガッカリしたが、香を逃さない密閉性や、
製造コスなどの制約から丸い缶に変わったのだろう。
早速、味わってみたが期待通りであった。
それは、何処からか衣擦れの音が微かに聞こえて来る様な
繊細でエレガンスに満ちた香りだった。

1864年創業のW.O.ラールセンが当時のレシピを
復刻させたと言う"W.O. Larsen 1864"にも感じたのだが、
これら古いレシピを甦らせたパイプタバコを味わうと、
幼かった頃、母や祖母の和服から感じた香りを思い出す。
そして、穏やかに私を安心させる。

Holland America Line
”A Briridge to the Seven Seas"

写真はクリックで拡大します。



2013/02/11

スコードロン・リーダー、を常用タバコにしよう。




1930年代のSQUADRON READERの缶
現在のSQUADRON READERの缶

古い飛行機の本を見ながら燻らせたスクァドロン・リーダー。
”Squadron Reader”とは、英国空軍の少佐を意味する。
1914年、このタバコは英国空軍将兵に捧げるために生まれ、
現在も延々と造り続けられている歴史あるブランドだ。
しかも、このタバコを発売するサミュエル・ガーウィズ社は、
1792年に創業したイギリスで最も歴史を持つタバコ会社である。
このタバコ缶に描かれている複葉戦闘機は、
第一次大戦で最多撃墜数を記録したソッピース・キャメル戦闘機
キャメルと呼ばれたのは、操縦席前に装備された
機関銃を覆った膨らみがラクダの背中の様だったからである。

親に勘当され東京に出て来たばかりで苦労していた頃、
調布の粗末な木造アパートで、プラモデルを作るのが慰めだった。
レベル社の1/48プラモデルソッピース・キャメル
大空を鳥の様に飛ぶ複葉機の姿が私に夢を見させてくれた。
このタバコは、貧しかったあの頃を想い出させ、
なぜか煙が目に滲みる・・・

そうだ、この"Squadron Reader" を
私の常用タバコにしよう。

レベル社の1/48 SOPWITH CAMEL F.1プラモデル


貴族しか飛行機の操縦士にはなれ無かった第一世界大戦。
まだ、騎士道精神に溢れた戦いが繰り広げられた。
ドイツの撃墜王レッド・バロン(リヒトホーフェン)が操縦する
3枚翼フォッカーDr1を撃墜したのは、このキャメル機に乗る
カナダ空軍のブラウン大尉と伝えられている。

騎士道精神へのオーマージュとも言える
この時代の空中戦を描いた映画 "Blue Max"(リンク)
もう、現代の男達が忘れてしまった
「名誉とは何か、誇りとは何か」
そして「武士の情け」と言った美学を語りかける。
ぜひ、ご覧ください。


2013/02/10

名車ラゴンダに相応しいパイプ、黒いドレス。





朝から晩までパイプにのめり込んで何日目だろう?
今夜のハンバーグ・ステーキがラタキア風味かと思う程、
鼻の周辺にパイプ・タバコの匂いが漂っている。
愛犬ペペは私のパイプがジャーキーにでも見えるのか、
ラタキアの匂いがぺぺの食欲をも刺激するのか、
やたらと私にオヤツを要求してウルサい。
葉巻は何十年もの経験があるから一家言持っているが、
パイプは数日前に始めたばかりの駆け出しだ。

自宅に帰れば若い頃に始めたが面倒で挫折した
古いBBBのパイプやコンパニオンなどがあるからと、
単3の乾電池をダンパー代わりに使っている。
でも、サイズ的には実に使い易い。

銀巻きカナディアンが気に入ったので2本購入した。
練習用に買ったアイリッシュ・アーミーを酷使したので、
葉の詰め具合やダンパーの押さえ方も慣れて来た。
形ちが嫌いなのでダメにしても良いと思っていたが、
軽くて実に使い易いパイプ。
無骨なマウスピース差し込み口も今では可愛く見える。

かってオーストラリアのクラシックカーラリーを
共に戦った1934 Lagonda M45



今日はG.L.Pease オールド・ロンドン・シリーズの
名車「ラゴンダ」の絵が描かれたタバコを味わって感動した。
Old Dog や Squadron Leaderも旨いとは思ったが、
これは何と言う美味さ、もうこの芳香からは逃れられない。
缶に描かれたラゴンダは1935年のル・マン24時間で優勝した
伝説の「1935 Lagonda Rapide M45R 」。
この誇り高い名車ラゴンダに相応しく調合された香りは、
キプロス産の極上ラタキアと熟成させたレッド・バージニア、
さらに最上質で芳醇なオリエントをブレンドし長期熟成させて
少し幅広にリボンカットしたと缶に説明されている。
私には、この調合の意味は理解出来ないが、
ラゴンダのイメージが芳香に加わるからより魅せられる。


犬はアイリッシュセター、酒はアイリッシュウイスキー。
だからパイプもアイルランドのピーターソンに決めた。
パイプのコレクションなど始める気は無いから、
一週間ローテーションの7本を揃えるつもりだった。
でも、名車ラゴンダに相応しいのはダンヒルに思えてくる。
だから一本だけ例外で購入したいと思い始めている。

ネット上でダンヒル・パイプは別格に扱われている。
階級社会の英国でパイプは両手を使わずに喫煙出来るから
労働者の間から普及したと伝えられているのに、
パイプの世界ではダンヒルの歴史は浅いのに、
30年も前からロンドンのダンヒル・ショップには、
日本人客専門の日本人店員を置いていたほど商売上手なのだ。
ロンドンで買物する喜びが消え失せると思うのだが、
こんな商売上手さには、ウンザリする。
猫も杓子もメルセデス・ベンツに乗りたがる様な、
日本人的ブランド志向からだろうと、私は敬遠して来た。
しかし、写真を見ると高品質のオーラーが伝わって来る。
ダンヒル・パイプには格調の高いデザインと
7つの海を制した大英帝国の威厳が脈々と流れている。


葉巻の世界ではダビドフをロールスロイスに例えて崇めるが、
パイプの世界では同じ喫煙なのにダビドフは騒がれない。
それは、愛好家に厳しい選択眼を持つ知的な人が多い証拠だ。
確かに学者や文学者にはパイプ愛好者が多いではないか。

このラゴンダをダンヒルのパイプで味わってみたい。
英国のサイトで見付けたダンヒル・パイプに憧れ始めている
それは銀リングを巻いた小柄な黒いドレス Gr.3
葉巻でもロンズデールまでのサイズしか吸わないように、
大きく重そうなのや創作パイプは嫌いだから、
この黒いドレスを纏った華奢で清楚な姿に魅了される。
葉巻コイーバ2箱分を我慢すれば購入出来るではないか。
いま保存している葉巻200本が終わったら、
もう高価な葉巻は止めて、経済的なパイプだけにすれば良い。
などと、悪魔の誘惑の囁きが聞こえて来る。

しかし、後何年、私はパイプを楽しめるのだろう・・・

2013/02/08

完璧なタイポグラフィ。素朴で古典的な造形。




W.O. LARSEN 1864 Pipe Tobacco
W.O. Larsen was established in 1864 
by Wilhelm Ockenholt Larsen in the heart of Copenhagen. Denmark.
Since then the W.O. Larsen family has been acknowledged for 
offering the ultimate luxury in pipe tobacco.




1864は、ラールセンが創業した1864年に因んでいる。
創業当時、人気の高かったブレンドを復刻させたと説明されている。
この品格のあるタバコ缶を眺めながら、

1960年代、私がグラフィックデザインを学んでいた頃の
ハーブ・ルバーリンタイポグラフィ(リンク)を思い出している。
こんな美しいタイプフェイスの選択や計算された文字組は、
ローマ字圏で育った欧米人にしか出来ない。

これ程までに美しいデザインの缶なら
タバコの味わいなど、私はどうでも良くなってしまう。



Peterson Pipe TANKARD
"Tankard" Peterson specialties.
Setter type that has been inspired by the mug when you drink a pint of Guinness.


ギネスビールを飲むジョッキをイメージした造形。
とても小さなパイプだが、この古典的で素朴な造形に私は魅せられた。
森の中をペペと散歩する時、ポケットに忍ばせて
一時を楽しみたく思っている。




パイプのブレークインとローテーション。
















届いたタバコ缶と、ピーターソン製の柔らかな上質シープスキンのパイプポーチ。緑色のピーターソンの箱に入り中の紙にもロゴが入っていて私を満足させた。2011 Peterson Special Reserve /1864 Larsen は開けるのが惜しくなるほど魅力的だ。丸缶の「名車ラゴンダ」と「オールドドッグ」はドッグフードの缶の様だが。


パイプを始めたいと思った半世紀も昔を想い出している。
1960年の頃、現在の様に情報も無くて苦労したが
先輩の言ったブレークイン時の角砂糖とブランディの方法は、
現在もハチミツを使って行う人が居ると言うから、
まんざら間違では無かった様だ。当時の私はギブアップしたが・・・
「ローマは一日にして成らず」と言った先輩の言葉を思い出す。
今は、あまりにも情報が多過ぎて混乱する。
昔は、クルマの慣し運転は必須だったが今では無意味な様に、
パイプのブレークインなど昔の話とも書かれている。
まあ、新しいパイプだから大切に扱って気長に楽しもう。

How To Break In Peterson Pipes
Peterson Pipe Removing Stain
Peterson Pipe Drying
Peterson Years of Enjoyment

葉巻の経験は長いから、クールスモーキングなどパイプとの
喫煙テクニックは共通する部分も多いが、
練習用に酷使に耐えそうなアイリッシュアーミーを一本用意した。
ピーターソンのジュース溜りのシステムも試したいから。
また、ショートスモーク用にはタンカードを使おう。
明日の午前中に配達される予定になっている。
外出時は葉巻だからパイプは室内でしか喫煙しないと思ったが、
ピーターソン・グリーンのコントラストが綺麗な
シープスキンのポーチも用意した。

1960年頃のアメリカ雑誌エスクワイアで見て憧れた 
Dunhill "7 Day Pipe Set"


パイプのローテーションに付いては、
1960年代、船便で2ヶ月遅れで届いていた雑誌"Esquire"
見た広告「7Day Pipe Set」を思い出す。
ピーターソンで、こんな感じが私の理想のローテーションだ。
それぞれ曜日を決めた好きなパイプを7本揃え、
葉巻のヒュミドールをパイプ用に改造したいと考えている。

しかし、パイプは一度使ったら1週間も休ませる必要など
本当にあるのか?。冷却に1時間、乾燥に1日で充分だと思うが。
愛着を持って大切に使い込んだパイプは熟成する。
永く上手に使ったパイプは美味くなる、と書かれている。
愛好家は収集も兼ねて何十本も所有するのが普通だと言う。
それぞれのタバコの葉専用とローテーションのためだ。
もし、そうだとすると私は無理かも知れない。
自分に似合う好きな雰囲気のパイプは決まってしまうから、
全てが同じシェイプのパイプになってしまう。
また、気に入ったモノは酷使してしまう性格だから、
愛用の1本を毎日使ってしまうかも知れない。

しかし、それは愛着するモノを大切にする気持ちからだ。
愛用のパイプを自分なりに熟成させてみたくなった。
2011 Peterson Special Reserve 缶の蓋を少し開いてみた時、
辺りに漂った気品に満ちた芳香が私を決心させた。

ローテーションについて詳しく書かれている
海外のサイトを参考にして勉強中である
How Many Pipes Should Be In Your Rotation?
How often do you smoke?
What type of tobacco do you smoke?
Does your smoking style lend itself more towards ending up 
with a somewhat dry or wet pipe?
Do you smoke the same tobacco all day?


葉巻の補助にと思っていたパイプが、
今では主役に取って代わりそうにのめり込んでいる。





2013/02/03

ピーターソン。アイルランドの老職人を想像させる。



パイプを置いた彫塑は、以前の愛犬ドナを亡くした時の自作である。
ペペと同じ美しいアイリッシュセターであった。


ポルトガルの友人の様に葉巻に加えパイプも楽しもうと、
毎日、入門用のパイプを検索していて私は驚いた。
日本には、こんな多くパイプ愛好家が存在するんだ。
しかも、評論家の様に彼らはパイプに付いて語っている。
何事も、まず道具に拘る日本人特有の性格からだろう・・・

シャロックホームズの様な曲がった重厚なパイプは、
私の雰囲気ではパイプに負けてしまう。
初心者だから小さめのビリヤード型が良さそうだと、
視覚的な好みと価格で選んだのが写真のパイプ。


愛犬ペペの故郷、アイルランドに因んで
アイルランド製の ”PETERSON 264”を選んだ。
ブライヤー軸の部分が真直ぐで長く細身のシェイプを飾る
スターリング・シルバーのリングが気に入った。
この古典的なシェイプはカナディアンと呼ばれるそうだが、
カナダの木こりが使ったパイプの形からの命名と言う。

長いブライヤーは希少だし加工技術も要するのだろうが、
何故、シャンクと呼ばれる軸を長くしているのか?
ロング・シャンクだからこそ生まれるまろやかな吸い心地、
と書かれているが、そんな微妙な違いはあるのだろうか?
エンジン・マニフォールドの内径や長さによる流速や脈動が、
効率に影響を及ぼすのと同じなのかも知れない。


少し気になったのは外箱の隅に入っている日本の総発売元名。
英国やアメリカのネットで見る限りピーターソンの製品は
アイルランドのナショナルカラー緑色か黒の外箱が使われている。
輸送コストの関係で外箱は日本で造り箱詰めするのだろうか。
日本の箱は、赤い外蓋で本体は金色、明らかに高級な造りだ。
過剰包装を好む日本市場を意識したのだろうか。
粗末なでも良いからアイルランドのナショナルカラーである
緑色の箱入りを私は望んでしまう。
アイルランドの血が流れる愛犬ぺぺを思っての選択だから。
昔ながらにアイルランドの老職人がパイプを造っている姿を
想像してピーターソンのパイプを選ぶのだから。

さらに調べていて色々と解ったのは、
このシェイプには4種類があり、それぞれに呼び名がある
Canadian / Lumberman / Liverpool / Lovat 
ストレートのロング・シャンク(パイプ軸)は同じだが、
シャンクの断面がオーバル型か、ラウンド型か、
吸い口がテーパー型かサドル型か、で呼び名が違うのだ。
ベテランのパイプ愛好家には笑われるだろうが、
そんな事を調べて楽しんでいる。
葉巻よりも道具を必要とするパイプは奥が深そうだ。


パイプの葉はワインと同じ様にパッケージで選んだ。
注文したのは、複葉機・クラシックカー・犬、チェスなど、
味わいは解らないから名前やデザインを重視した。
そして感じたのは、美しいパッケージは売切れ品が多い。
やっぱりパッケージの良し悪しで選ばれるのだ・・・