パイプを置いた彫塑は、以前の愛犬ドナを亡くした時の自作である。
ペペと同じ美しいアイリッシュセターであった。
ポルトガルの友人の様に葉巻に加えパイプも楽しもうと、
毎日、入門用のパイプを検索していて私は驚いた。
日本には、こんな多くパイプ愛好家が存在するんだ。
しかも、評論家の様に彼らはパイプに付いて語っている。
何事も、まず道具に拘る日本人特有の性格からだろう・・・
シャロックホームズの様な曲がった重厚なパイプは、
私の雰囲気ではパイプに負けてしまう。
初心者だから小さめのビリヤード型が良さそうだと、
視覚的な好みと価格で選んだのが写真のパイプ。
愛犬ペペの故郷、アイルランドに因んで
アイルランド製の ”PETERSON 264”を選んだ。
ブライヤー軸の部分が真直ぐで長く細身のシェイプを飾る
スターリング・シルバーのリングが気に入った。
この古典的なシェイプはカナディアンと呼ばれるそうだが、
カナダの木こりが使ったパイプの形からの命名と言う。
長いブライヤーは希少だし加工技術も要するのだろうが、
何故、シャンクと呼ばれる軸を長くしているのか?
ロング・シャンクだからこそ生まれるまろやかな吸い心地、
と書かれているが、そんな微妙な違いはあるのだろうか?
エンジン・マニフォールドの内径や長さによる流速や脈動が、
効率に影響を及ぼすのと同じなのかも知れない。
少し気になったのは外箱の隅に入っている日本の総発売元名。
英国やアメリカのネットで見る限りピーターソンの製品は
アイルランドのナショナルカラー緑色か黒の外箱が使われている。
輸送コストの関係で外箱は日本で造り箱詰めするのだろうか。
日本の箱は、赤い外蓋で本体は金色、明らかに高級な造りだ。
過剰包装を好む日本市場を意識したのだろうか。
粗末な箱でも良いからアイルランドのナショナルカラーである
緑色の箱入りを私は望んでしまう。
アイルランドの血が流れる愛犬ぺぺを思っての選択だから。
昔ながらにアイルランドの老職人がパイプを造っている姿を
想像してピーターソンのパイプを選ぶのだから。
さらに調べていて色々と解ったのは、
このシェイプには4種類があり、それぞれに呼び名がある。
Canadian / Lumberman / Liverpool / Lovat
ストレートのロング・シャンク(パイプ軸)は同じだが、
シャンクの断面がオーバル型か、ラウンド型か、
吸い口がテーパー型かサドル型か、で呼び名が違うのだ。
ベテランのパイプ愛好家には笑われるだろうが、
そんな事を調べて楽しんでいる。
葉巻よりも道具を必要とするパイプは奥が深そうだ。
パイプの葉はワインと同じ様にパッケージで選んだ。
注文したのは、複葉機・クラシックカー・犬、チェスなど、
味わいは解らないから名前やデザインを重視した。
そして感じたのは、美しいパッケージは売切れ品が多い。
やっぱりパッケージの良し悪しで選ばれるのだ・・・
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