「犯人は二人」の挿し絵:依頼者エヴァ・ブラックウェル嬢。
Peterson Sherlock Holmes The Milverton
友人Hさんが訪れた時、シャコムのパイプを使っていた。
フランスの「シャコム・アニバーサリー1990」。
オイルフィニッシュでトップに銀リングを持つスクエア・シャンク。
顔色に合わせた地肌色の小振りなパイプは、
パイプの存在感を薄め、若く長身の彼の姿をより引立てていた。
それは、彼が持つ美意識からの巧みな演出なのだろう。
私もスクエア・シャンクのパイプが欲しくなった。
Chacom Anniversaire 1990
ロンドンで恐喝を代理業とする悪名の高い
「チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン」の名から、
"The Master Blackmailer(恐喝王) : C.A. MILVERTON"
「ミルバートン」と名付けられたピーターソンの
シャーロック・ホームズ・シリーズのパイプ。
なんと英国的ジョークに満ちたネーミングなのだろう。
獰猛なスクエア・シャンクとベントしたマウスピース。
まさに、悪者ミルヴァートンを連想させる。
恐れながらも、いつしか魅了されてしまう悪の華の様に、
私は虜になってしまった。
しかし、サイズはXLボールで重量70gもある。
ミルヴァートンは、アーサー・コナン・ドイルの
シャーロック・ホームズ・シリーズの短編「犯人は二人」
"The Adventure of Charles Augustus Milverton"
に登場する人物の名前である。
1905年の第3短編集「シャーロック・ホームズの帰還」
”The Return of Sherlock Holmes"に収録されている。
若い方々にはイメージが沸かないと思うが、
我々の世代では誰もが知る悪者の象徴であった。
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