.

2013/03/27

パイプ・スタンドの彫塑:その2





夜、暗い部屋でこの手首は私を絶望的な気分にさせる。
底なし沼に呑み込まれ翻弄される様な宿命に、
一縷の望みでも掴もうと水面から突き出してもがく
最後の手首の様で悲しい。

しかし、私はこんな時間を何よりも優先している。
パイプにタバコを詰めてマッチで火を点けると、
協奏曲や交響曲の全楽章を聴くに丁度良い時間なのだ。
聞き慣れた曲が別の音楽の様に響く。

パイプを置くスタンドを作ろうと思っていたのだが、
物事を深く思考させてしまうパイプ喫煙の効力だろうか
私自身の心理表現なってしまった。

パイプスタンドは、もっと単純なモノが良いと、
新たなスタンドを作っている。
故郷の白い砂浜に打寄せる波をイメージして。





No comments:

Post a Comment